WORKS
弊社は原皮の鞣しから仕上げまでの工程を自社一貫生産しています。欧州より海路輸送されてきた「命からの副産物」といえる原皮を、積み重ねてきた技術力と最新鋭の設備を用い、品質にこだわった最高の革を生産したい情熱と一人一人の職人の繊細な技術力で再び命を吹き込みます。
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トラックに載せられて、牛革のもとの原皮が工場に運ばれてきます。日本の革製品の原皮はほとんどが北米などから輸入されたもので、腐らないように塩漬けの状態で工場に運ばれ、倉庫で保管されます。
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塩漬けされた原皮を水洗いし、塩分や汚れを落としていきます。水洗いは水分を戻す役割も果たしています。ドラムのなかでおよそ24時間かけてじっくりと洗い上げます。
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加工しやすくするために、背骨に沿って皮を分割します。大きな動物の皮は大きくて扱いづらいので、この作業をすることで、加工しやすくなります。
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皮を石灰層に移し、原皮についている毛や脂肪を除去すると同時に繊維をほぐします。薄い石灰水から徐々に濃い石灰水にひたしていくことで、革への負担を減らします。
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脱毛が終わったら、機械を使って余分な脂肪や汚れを削ぎ落としていきます。皮の種類によっては厚みを整えることもあります。フレッシング後にもう一度水洗いします。
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タンニンを皮に染み込ませ、皮を柔らかくしなやかにしていきます。皮を機械に結びつけ運びます。タンニン層は濃度によって分かれており、薄い層から濃い層に皮を移しながら、徐々にタンニンを皮になじませていきます。
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タンニン層に長時間漬けたら、再度水洗いをして機械で水絞りをします。水を絞ったら、加脂をして革をさらに柔らかくしなやかに、なめらかに、そして艶やかに仕上げていきます。
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機械で革を伸ばし、10日間ほど乾燥させます。乾燥後にできあがった加工前の革が「ヌメ革」。ヌメ革の色には原皮の色が影響しているため、革の色や風合いは一枚一枚異なります。
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なめして乾燥させた革を、用途に応じて薄くしていきます。仕上がりの厚みは職人が感覚で覚えていくもの。経験を重ねて習得されるプロの技です。
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用途に合わせて柔らかさや風合いを調整するため、再度なめしへ。その後、下地を染色します。地色や毛色、状態、気候の条件を加味したうえで職人が色や薬品の量を決めています。
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セッターで再び革を伸ばすと同時に、水絞りも再度おこないます。分厚い革などは、手作業で伸ばします(ハンドセッター)。細かいシワも丁寧に伸ばし、なめらかにつくりあげます。
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革を1日〜2日置いて水分を飛ばし(味とり)、その後さらに数日〜1週間かけて乾燥させます。職人が革の厚みや気候に合わせて調整しています。
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「バイブレーション」という機械で高速振動をあたえ、乾燥した革を柔らかくします。ブランドやメーカーの要望に沿って色をつくり、職人の手作業で革を塗装します。